一流讀書人導讀 2018-12-03

《絕望的精神史》導讀/日文系副教授內田康

書名:《絕望的精神史》

作者:金子光晴

譯者:周芷羽

出版:麥田出版

ISBN:978-986-344-590-6

導讀:日文系副教授內田康

在台灣,金子光晴作為日本文學家,他的名字鮮為人知。倒不如換個方式介紹,說他是1930年代以殖民地時期的台灣為舞台發表了《野蠻人》等小說的大鹿卓的親生哥哥,若是熟悉台灣文學的讀者心裡應該有印象。在日本有時被稱作「反骨詩人」、「流浪詩人」,學生的教科書上也屢屢刊載他的作品,另外,除了隨筆、自傳與紀行以及小說等,他在繪畫方面也留下了逸作。本書的副標題為「體驗了『明治百年的悲慘與殘酷』」,正如他所寫,從現在往回推算約半世紀前的昭和40年(1965),迎來古稀之年的金子,主要以自己的所見所聞回顧了明治維新後約百年的時光,撰寫了「屬於個人的日本近代史」的作品。全書以五個章節構成,第一章為概略,第二章寫明治,第三章則是大正~昭和時代二戰之前,第四章是昭和時代二戰時期~敗戰,第五章則是寫二戰結束後到日本經濟高度成長期。各章開頭均由金子光晴所作的詩其中一節為題辭來象徵該章節內容,逐漸來到關鍵詞「絕望」。「外界認為日本人的優點,在於不輕易絕望。但我倒是希望,日本人能常保絕望。…只有絕望的樣子,才是那個人真正正確的態度。因為現代所有事物的構成,事實上就像絕望那樣,是破滅的」。

究竟為何寫下「絕望」?金子光晴作為愛知縣大鹿和吉的三男出生,本名為安和(保和)。在滿兩歲的那年,成為金子莊太郎的養子,隨著父親轉職來到了京都,後來甚至移住東京。他在明治28年(1895)馬關條約締結的那年出生,之後他的人生就跟隨著日本舉著富國強兵的旗幟逐漸壓抑內外的腳步前進。另外他的養父莊太郎,在日本獲得澎湖後不久,就被派遣到台灣負責搭建炮台。

金子在青少年時期過得非常自由,數次前往歐洲、東南亞、後來透過滯留中國的經歷凝聚而成的視點,不偏向特定政治思想而是巧妙地點出社會發展下不得不過著悲慘生活人們真實的一面,以及背後隱含了自己和其他日本人被國家的理想所束縛之事實。能運用如此美麗的文體描寫這人世間的醜陋、悲哀、可笑、殘忍,這樣的日本文學家非常稀少,而他文字中的批判,甚至越過二戰後在豐饒中逐漸迷失自我的人們,直達現代的人們心中。「只要人類肩負著整個國家的重擔,不斷掙扎的期間,和平就不可能會到來」。在日本剛好迎來「明治維新一百五十週年」所翻譯出版的這本書,衷心期盼透過此書今後金子光晴在台灣能夠獲得更多關注。(原文以日文書寫,翻譯/日文碩三黃于瑄)

台湾では、日本の文学者として、金子光晴の名はあまり知られてはいないかもしれない。寧ろ1930年代に植民地期の台湾を舞台として「野蠻人」等の小説を発表した大鹿卓の実兄だと言った方が、特に台湾文学に通じた読者なら思い当たる向きもあるだろうか。日本では時に「反骨の詩人」「流浪の詩人」などと称されて、教科書にも屢々作品が取り上げられ、また随筆、自伝や紀行、小説等のほか絵でも優れた作品を残している。それらの中で先頃、麥田出版から周芷羽の翻訳で刊行された『絶望の精神史』は、原本副題に「体験した「明治百年」の悲惨と残酷」とあるように、今から半世紀程前の昭和40年(1965)、70歳を迎えようとしていた金子が、主に自己の見聞に基いて明治維新以後の約百年間を振り返った〈私的日本近代史〉の試みである。全五章仕立てで、第一章が概説、第二章は明治、第三章で大正~昭和戦前、第四章で昭和戦中~敗戦、第五章で戦後~高度経済成長期を、各章冒頭にその内容を象徴する自作の詩の一節を題辞として掲げつつ、「絶望」をキーワードに辿っていく。「日本人の美点は、絶望しないところにあると思われてきた。だが、僕は、むしろ絶望してほしいのだ。…絶望の姿だけが、その人の本格的な正しい姿勢なのだ。それほど、現代のすべての構造は、破滅的なのだ」。

では一体なぜ「絶望」なのか。金子は愛知県で大鹿和吉の三男として出生。本名安和(保和)。満二歳の年に金子荘太郎の養子となり、その転勤に伴って後に京都、更に東京へと移り住む。彼の生まれた明治28年(1895)は馬関条約締結の年であり、その人生は富国強兵の名の下に内外への抑圧を高めていった日本の歩みと軌を一にしていた。因みに養父の荘太郎も、獲得直後の澎湖島で砲台工事を担当するために台湾へ派遣されている。

金子は少年期以降の放埓とも言える自由な生き方と、数度に亘る欧州、東南アジア、そして中国での滞在体験に基いた確かな視点を通し、社会の発展の陰で惨めに転落していかざるを得なかった人々の姿と、その背後で自分を含めた日本人を呪縛する国のあり方を、特定の政治思想に偏ることなく巧みに炙り出していく。この世の醜悪と悲哀と滑稽と暴虐とを、これほど美しい文体で描写し得た日本文学者は稀であり、その批判は、豊かさの中で自己を見失いつつあった戦後の人々を通り越して現代にまで届いている。「人間が国をしょってあがいているあいだ、平和などくるはずはなく…」。日本が「明治百五十年」を迎えた年に期せずして翻訳された本書を通し、今後台湾で金子光晴への注目が高まることを、衷心より期待したい。

NO.1078 | 更新時間:2018-12-03 | 點閱:1393 | 下載:

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